ウィンドシンセサイザー「YAMAHA WX7」の空気漏れの修理

WX7を買ってから20年ちょっと経って(2012.6.3)、初めて故障しました。 息を入れないのに音が出続ける症状です。

キーホールド・スイッチを押してしまったのかと思いましたが、電源を入れなおしても直りません。 そこで、WX7のプラスチックカバーを外したところ、そのカバーの内側と、 基盤を保護している金属フレームに水滴が付いていました。 とりあえず、水滴を取って乾燥させたところ、症状がでなくなりました。

結局、湿気が原因だったのか分からなかったのですが、湿気が内部に入っている状態はマズいので修理することにしました。 といっても、チューブ交換+αくらいの作業です。




プラスチックカバーを外すとこうなっています。
プラスチックカバーを外す時は、先にディップスイッチ・設定ボリュームを覆っているゴムのカバーを外しておいてください。 そのままカバーを外そうとすると、ゴムのカーバーが中にある金属プレート(シールド)とぶつかってしまいます。

図の白いものが今回交換するチューブです。
「息が通るチューブ」は、マウスピースからWX7のお尻までを貫いているチューブです。 もう一本のチューブは、息の強さを計るセンサーにつながるチューブです。 このセンサーの正しい名前が分からないので、とりあえず「空気圧センサー」と呼ぶことにしました。





分解しました。


黄色いのが古いチューブです。半透明のものが、交換する新しいチューブです。

チューブは、ホームセンターで売っていたシリコン製チューブです。
息が通る長いチューブは、外径6mm、内径4mmです。
後で出てくる空気圧センサーにつながるチューブは、外径5mm、内径3mmです。





お尻のパーツにチューブを取り付けて、チューブをお尻から頭方向に入れてゆきます。 (なんか表現が卑猥な感じですが、どう表現すればいいんだろう…)


空気圧センサーにもチューブを取り付けます。


空気圧センサーを基盤から取り外したところ、ネジに錆びが見つかりました。


錆びは放置しておくと広がるかもしれないので、錆びを落としました。


とりあえず、チューブ交換は終わりました。




空気圧センサーにつながる穴には、もともとL字形のパイプが付いていて「ツバ」が入りにくい構造になっていたのですが、 紛失しておりました。室内で使っているので、どこかに落ちているはずなんですが。
ホームセンターでチューブを買う時に、チューブを接続する部品が売っていたのでL字形のものを購入して取り付けてみました。


リップセンサーのレバー(金属の棒)の根元のゴム部分にひび割れが出来ていました。 裏側にもひび割れがありました。これを補修します。


補修には、シリコンのシーリング材を使いました。 これは、建材用で樹脂・ゴム用ではないんですが、少量しか使わないので小さいのを選ぶとこれしかなかった…。
シーリング材は開封してしまうと、長期保存はできません。 使用後に密封しても、次第に固まってきますので、使い捨てのつもりで購入してください。

尚、リップセンサーのレバーは上下に動くので、固まったらゴムのように柔らかい状態になるものを使ってください。 接着剤のようなものは使わないほうがよいです。



シーリング材を塗りました。なんか仕上がりが汚いんですが、こんなもんでしょう。 シーリング材が固まるまで触らないように放置しておきます。 ここで使用したものは硬化に24時間かかるタイプのものでした。


リップセンサーのセンサー本体部分は、むき出しになっています。 チューブと干渉する(当たる)可能性があるので、注意してください。


今回の補修はこれで終わりです。
で、空気漏れの確認をしてみました。
1時間使用してから、カバーを外して内部を見たところ、水滴も曇りもありませんでした。 結果論ですが、古いチューブは若干硬化していたので、チューブ接続部分から息が漏れていたのかもしれません。

しかし、20年以上動き続ける電気製品ってすごいわ。さすがYAMAHA。 使用頻度がさほど大きくなかったこともあるんですが、湿気に晒されながらも今まで動いていたのは凄い。



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