オーサリング

エンコードして作成したBDMVフォーマットの動画をブルーレイ・ディスクに書き込みます。 これは、ブルーレイ・レコーダー等で再生してテレビで見ることが目的となります。

動画ファイルを単純にブルーレイ・ディスクにコピーしても、レコーダーで再生することはできません。 決められた形式でブルーレイ・ディスクに動画やその他、必要な情報を記録する必要があります。 このため、ここではオーサリングという作業をします。 実作業は、エンコードした動画を素材にしてメニューなどを作成して、ディスクに焼くという内容になります。 「決められた形式」はオーサリングソフトが自動的にファイル形式・ファイル構成などを整えて作成してくれます。

オーサリングにはPEGASYS社の「TMPGEnc Authoring Works 5」というソフトウェアを使用します。 このソフトも有料で、ダウンロード版は9,800円します。私はまだ購入していないので、試用版を使っています。 今回初めて使用するので、このソフトの実力は未知ですが、とりあえず良さげなのでこれでやってみましょう。

ここで私が一番やりたいことは、オーサリング作業そのものでなく、以下のことを確認することです。
 ・エンコードした動画がBDVMの仕様に合ったものであること
     (オーサリングソフトが動画のフォーマットに
         問題がある趣旨のエラーをださないこと)
 ・オーサリングでのデータの書き出し時に、動画の再エンコードが実行されないこと
 ・作成したブルーレイ・ディスクをテレビで鑑賞できること

以下の解説では、ほとんどがメニュー作成作業となっています。 メニュー作成作業は、ここでやりたいことの主旨から外れますので、オーサリングがどんな手順で行われるのかを見たい方以外は見る必要はありません。

結論はこうです。
 ・エンコードしたファイルは、問題なくオーサリングソフトに読み込まれました。
 ・オーサリングの書き出し時に(一部を除いて)再エンコードが実行されませんでした。
 ・作成したブルーレイ・ディスクは正常にブルーレイ・レコーダーで再生されました。

エンコードしたファイルは予定通り、パソコンでも再生できるし、BDに焼くこともできる動画になっていました。


TMPGEnc Authoring Works 5 (以降、TAW5と表記します)を起動します。
BDへの記録で失敗してもいいように、作業用BD-REを使うことにしました。 それで、「ディスクライティングツール」を使ってBD-REの内容の消去から始めます。


「RE消去」ボタンをおすとディスクの消去を行います。消去が完了したら「終了」ボタンを押します。


出力フォーマット選択で「Blu-ray BDMV」を選択してから、新規プロジェクトボタンを押します。


ウィザードが出ます。ここで「ファイルから追加する」を選択します。


とりあえず、1つ選んでみます。


クリップの情報が表示されます。表示された内容を確認します。 「クリップ名」の欄にはファイル名がそのまま入力されていますが、後で分かりにくくなりそうなので、 “FILE-11 「おしゃれ泥棒 前編」”と変更しました。
「カット&チャプター」「字幕編集」の機能があるようですが、今回は使いませんでした。


クリップが登録されました。トラック1にクリップ『FILE-11 「おしゃれ泥棒 前編」』が登録されたということのようです。


トラック1にCLAMP学園探偵団のクリップを4つ登録しました。
次に、るろうに剣心のクリップを別トラックに入れたいので、「トラックを追加」を押します。


トラック2が追加されました。


るろうに剣心のクリップを4つ登録しました。


トラック1の「設定」ボタンを押します。


トラック名を「CLAMP学園探偵団」に変更しました。他の設定は変更していません。


トラック2のトラック名も変更しました。次に、「メニュー」ボタンを押します。


メニュー作成ウィザードが起動します。あえて、「レイアウト、部品を指定して(略」を選んでみました。
この後の設定が良く分からなくて、思っていた形のメニューになるまでウィザードを6回くらい繰り返しました。 この辺りは、ちゃんとヘルプを呼んで勉強しておくべきなんでしょうね。


こういう設定にするとうまく行きました(結果論)。
トップメニューに2つのトラック、「CLAMP学園探偵団」と「るろうに剣心」の選択肢がでます。 トラックメニューでは、各トラックに登録したクリップ4話の選択肢がでます。(結果論です)


各メニューのレイアウトなどを決めます。
トップメニューには2つのトラックの選択肢が出るように設定しました。 トラックメニューには4番組の選択肢が出るように設定しました。
ポップアップメニューは、選択肢4個のものを選んでも良いのですが、サムネイルが大きかったので、 選択肢8個のものを選びました。個人的にはポップアップメニューは小さいものが好きなので。
のこり3項目は、メニュー構造に関係しないので、好みで自由に選びました。


次にメニュー構成を決めます。「トップメニューとトラックメニュー」を選ぶと自分が思っていたメニュー構成になりました(結果論)。 「ポップアップメニューを追加する」を有効にしておきます。
「自動設定」なるものがあります。後でこれを使ってみたところ、自分が思っていたメニューが作成されました。 どれを選ぶにせよ、トラックやクリップがどういうメニュー構成に組み立てられるのかは、勉強して理解しておきたいところです。


ディスク再生時の動作を決めます。設定したら「OK」ボタンを押します。


メニュー構成の大枠が出来上がりました。ここからは、メニューを詳細に設定・修正していきます。


トップメニューです。画面上にある「文字列」「サムネイル」「ボタン」等のアイテムは、自由に移動、サイズ変更、修正ができます。
るろうに剣心の文字列が画面からはみ出しているので、修正します。


横に並んでいたサムネイルを縦に並べ替えました。長いタイトル名も画面に収まりました。
画面右下にいくつかボタンがあります。 これらは、グリッドの表示、アイテムをグリッドにスナップさせる、テレビで見たときの有効領域表示、 各ボタンのリンク状態表示、などです。


サムネイルをダブルクリックすると、動画の任意の場所の画像をサムネイルに設定できます。 とりあえず、トップメニューができました。


トラックメニューの編集をします。
「チャプター1」となっている部分を番組のサブタイトルにしたいのですが、スペース的に問題があるので修正します。


縦に並べ替えました。この画面では分かりませんが、アイテムを大きく並びを変えたので、各ボタン間のリンクが混沌とした状態になってしまいました。


カーソルリンク編集画面で、各ボタンのリンク関係を修正できます。


ポップアップメニューの編集画面です。面倒くさくなってきたので、サムネイルの修正だけしました。


トラック2のメニューも同じように修正しました。
大変な作業だな orz これは自分用テンプレを作るべきですね。
もしくはメニュー作成ウィザード開始時に「オリジナルメニューを作成する」を選ばずに、 「テンプレートファイルを使用してメニューを作成する」を選んでもよかったかもしれないです。


メニューの編集が終わったら、「シミュレーション」ボタンを押します。


ビデオの再生をシミュレーションしてくれます。 サムネイルから適切な動画が再生されるか、ボタン同士のリンクがちゃんとしているか、などの確認ができます。


シミュレーションで問題がなければ、「書き出し」ボタンを押します。


データの書き出しを行います。 デフォルトでは、HDDにデータを書き出すだけなので、「書き出し終了後の処理」に図のようにチェックを入れましょう。 PCのブルーレイ・ドライブにブルーレイ・ディスクが入っていることを確認して、「書き出し開始」ボタンを押します。


ハードディスクへの書き出し中の画面です。
画面に「プレビューは、エンコードされた部分のみ表示されます」と書いてあります。 プレビュー画面を見ていたところ、映像が出たのはメニュー画面と、クリップの先頭フレーム・最終フレームの部分でした。 クリップの映像が出たのはなぜだろうと思い、書き出したデータを確認したところ、 各トラック内に含まれる4番組は1つのファイルに結合されていました。
画面に「映像を無劣化出力しています」とあるように、基本的に動画の再エンコードはしていないようです。 クリップの繋ぎ目だけは再エンコードしているようです。


HDDへの書き出しが終わったら、ブルーレイ・ディスクへの書き込みが始まります。


ブルーレイ・ディスクへの書き込みが終わりました。「OK」ボタンを押してください。 ここでTAW5を終了させてもいいのですが、試用版の場合はプロジェクトファイルの保存ができません。 いま焼いたディスクに問題が見つかった場合や、もう少し設定を変更してディスクに焼きたい場合は、 ソフトを起動したままにしておきましょう。


BDレコーダーで再生してみましょう。










問題なく再生できました。
これでオーサリングについての説明を終わります。


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